あとがき                                  戻る


        この物語を思いついたのは、通勤の車の中

          制服のポケットに何か入ってる?と気が付いたら

          会社の書庫の鍵

          おっちょこちょいの私は、なんでもすぐポケットにしまってしまい

          そしてすっかり忘れてしまう

          そんなことからポッケの好きな女の子の姿が浮かんだ


          「抱っこして…」とぐずるレイちゃんの姿は、忘れられない思い出があったから…

          生まれてすぐから二人の子供を保育所に預けて働いていた私

          ある寒い冬の一日…

          保育所から歩いて家に向かう道で、2才の長男が「抱っこして!」とぐずる

          背中にまだ6ケ月の次男を背負った私は、

          レイちゃんのお母さんと同様に困った顔を見せるしかなかった

          息子は泣きながら寒い風を受けて歩いていた

          そんな息子が可哀想で、私も黙って涙を流しながら息子の手をぎゅっと握って歩いていた

          こんな小さな子に我慢させている情けない自分を、その時本当にうらめしく思った

          健気なレイちゃんに、その頃の息子の姿をだぶらせているかも知れない

          ポッケに空からプレゼントが降ってきたらいいなあ…と大人になった今でも思いませんか?