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河合寛次郎の世界に触れる


社会人になって間もない頃、衝撃の出会いをした陶芸家…それが河井寛次郎です。

陶芸が何かもわからないのに、彼の作品に強く惹かれました。

彼の生きる哲学のような言葉も魅力的で、自然にその本を手にとりました。

HP公開の際、彼のことを書こうと思い、インターネットで調べたところ

この記念館の存在を知りました。

そして…やっと自分の足で彼の世界に触れることができました。


2005.10.14 京都東山区五条坂にて






京都駅から清水寺に向かうバスに乗り、

沢山の観光客より一足先に小さな停留所で降ります。

「馬町」というちょっと変な名前のバス停

大通りから路地を少し入ったところで

やっとお目当ての記念館を見つけました。


京都の町屋の造りは、なんだか人を拒否するような

そんな感じを受けます。

なんだか入るのをためらってしまうのは

京都人ではないからでしょう。







中に入ると、こんな…風の吹き通る…静かな

気持ちのいい中庭が広がっていました。

この庭をぐるりと囲むように、彼の過ごした空間が

ぎっしりと詰まっていました。

こだわりの家具や調度品があちこちに置かれ、

会ったこともないのに、彼の姿を彷彿とさせられた

そんな気がしました。








  



土壁であるということや木や竹で作られているせいでしょうか?

秋とは言え随分蒸し暑い日だったのに、部屋の中は涼しく感じました。



 


気持ちのいい空間にゆっくりと静かに時が流れていきます
















           


彼の愛した空間です。彼のこだわりや、美意識が強く感じられ、見ていると、清々しい気持ちになります




彼はこんなブロンズのオブジェも作ったのですね。

多才な人、そして新感覚を持った人だったのだな…と感心しました。



昔の家はこんなに急な狭い階段だったんですね。

綺麗に磨き上げられた床や階段を裸足で歩くと、ひんやりした感触が心地よかった…





いよいよ…陶芸家としての彼の世界を覗きます。    


 



中庭を眺めながら、

回廊のような建物を歩くと、

その途中のガラス棚に

待望の陶芸作品が並びます





中庭の陶工房近くに、いい感じに壺が並んでいました。        
           
もしかしたら…素焼きの作品に掛ける様々な釉薬が、           

この中に入っていたのではないかしら?
              














面白い形の陶器が並びます。

形といい、色といい大変独創的です。




    ↓  素焼きの窯です。

   ここでどんな作品が生まれていったのでしょう?








彼の陶工房です。

 ガラス越しにしか

見られませんでしたが、

彼が近くに感じられて

嬉しかったです。


蹴ろくろにも

とても興味があります。






  ↓登り窯の横穴の中を歩いて見ました。

 私が楽々通れる程のスペースでびっくりしました。







昔はこんな大きな登り窯が

五条坂の町並みの中に

あったのだと驚く…


もう使われることのない窯

かつてはもうもうと

熱い火を燃やしていたんだね

今は静かに眠る戦士のよう…









次は、彼自身の紹介です。



彼が河井寛次郎です。


1890−1966 島根県安来市生まれ

彼はその生涯を通じいつも子供のように感動する心を失わず、

ありとあらゆる物と事の中から喜びを見いだし、そして

何よりも人と人生をこよなく愛し大切にしたひと

(私は小説家の室生犀星に似ている気がしました)

激しい表現の作品も多いですが、

その中に静けさを潜ませて、安らぎを感じさせてくれます。








最後に…

恐れ多くも、彼の座っていた書斎の机の椅子に座ってみました。

建物も家具も独自の構想で設計したものだそうです。

机も椅子もしっくり体になじむものでした。

こんな空間で好きなものに囲まれ、

好きな造形に励む生活をしてみたいものです。


放浪記を書いた女流作家…林芙美子の書斎の文机に憧れていた私ですが、

         lこんな素朴な洋風机もいいなあ…と思いました。




  河井寛次郎記念館

  〒605-0875 京都市東山区五条坂鐘鋳町569 TEL 075-561-3585
   http://www.studiomiu.com./kanjiro/