「ある冬の日の日記」



優しい日差しが家の中に差し込み
もう弱くなった陽の光を体に感じるのが好き

夕暮れの前
もう少しでお別れよ…と低くなった体から
遠慮がちに投げかけられる光の束

冬枯れの木々が冷たい風に体を揺らす
ここはこんなに暖かいのに
あなたはひとりで耐えているのかしら

ベランダに出てみる
そろそろとりこまなきゃね…と思いながら
重い腰をあげようともせず
洗濯物の下で座って外を眺めるのが好き

お〜い
お前は何してるんだとあなたは問う
少し照れてぼそっと答える
あなたにただ見とれてるだけ
あなたの凛とした空気に包まれるのが好き

この一年を振り返る
あんなに辛いこともあったのに
今はこんなに穏やか

神様、あなたは私を甘やかせすぎですよ
シアワセな時間をいっぱいくれている
転んでも転んでも
すぐ手を差し伸べて
明るいところへ導いてくれる

ご存じですか
私は信仰心などこれっぽちももっていないのですよ
もっと厳しくせねばいけません
だからつけあがる
しょうもない人間なんです

…などとね
久々の日記は
なにやらきままな散文風

このまま静かに暮させてくれるのなら
少しは信仰心をもってみようかな

こんな私ですが
あなたが創り出す季節のドラマ
一時たりとも見逃さぬよう
繊細な心とまっすぐな目
ただそれだけを
壊さぬよう、消さないよう
かそけき力を振りしぼり
全身で守っています

ひとりぼっちの静かな闘いは
誰の目に触れることなく
ただあなたへの憧れに
強く強く支えられています



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