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上村霜月祭り


信州遠山郷の上村の里山に古くから伝わる「霜月祭り」という湯立て祭りがあるという

旧暦霜月(12月)は、最も太陽の光が弱まり、あらゆる生命の力が衰えると言われ、全国の八百万の神々を招き、
湯を立て、湯を献じ、自らも湯を浴びることによって、新たな年の生命再生を願い、湯立て神楽により、神も人も生まれ
変わるという信仰を伝える祭り

一年の実りに感謝し、天地を鎮め、天下泰平を祈り、護国豊穣を願う気持ちのこめられた、厳しい風土の中で
里人の心が脈々と息づく祭り                                         
                                      (上村教育委員会発行パンフレットより抜粋)

昭和54年には、国の重要無形民俗文化財となったこの祭りを、いつかこの眼で観てみたいと思っていたのが、
やっと実現した

4つの部落(上町、中郷、下栗、程野)のそれぞれの社で日を変えて順に行われていくこの祭りの内、今回は
日本のチロルと
呼ばれる下栗の里を訪れてみた(2007.12/13)

細い細い急な山道を登っていくと急斜面に家々がへばりつくように建ち、畑も同様に急斜面に作られている

片側は深い谷、前面には南アルプスの見事な眺望…深い山に囲まれ点在する小さな家々は標高1000m以上の
ところにあり、まるでスイスの風景そのもので圧倒される

こんな厳しい自然の中で生活している人たちがいるという事実に改めて驚かされる

祭りが行われたのは、下栗拾伍社という小さな社…そこでは朝早くから村民によって神事が行われ、翌日の
夜中3時くらいまで延々と様々な儀式や舞が行われる

途中かまどの周りにゴザがひかれ、氏子の人にお酒や料理が供される…神官や村人、老若男女、小さな子供たちが
円座になってわきあいあいと過ごす様は微笑ましい

様々な面をつけての舞や迫力のある湯立て…こんな村も若い人が去り、長らく住んでいたひとも山を下りていき、
限界部落の危機に瀕しているという
厳しい環境で力を合わせて生きてきたこの村…何故住み慣れた土地を離れていかねばならないのだろう?
何故?何故?と問う私にもその理由はわかる…この現実をどうしようもない

こんな素晴らしい景観、こんな素晴らしい祭り…なんとか残していきたいねと心から思う

私の観た「霜月祭り」と下栗の里の風景をどうかご覧ください。(詳しくは次のページで紹介)